PLMのビジネスケース作成方法
仕事でストレスを抱える原因の一つは、古い製品ライフサイクル管理(PLM)ソリューションのせいで、プロセスを効率化したり、コミュニケーションを改善したり、リードタイムを短縮したりすることが難しいからかもしれません。それどころか、古い PLMがすべてのスピードを遅らせている可能性もあります。PLM を導入していない場合は、業務にまだ紙やメールを使っているかもしれませんが、ビジネスを次のレベルに引き上げるためには、やり方を変える必要があります。
前述した状況が当てはまるようであれば、最新のエンタープライズPLMソフトウェアを導入することをお勧めしますが、PLM に投資して導入する価値があることを全員に理解してもらうためには、PLM を導入することで、ビジネスの成長をサポートでき、早期に投資を回収できることを示す必要があります。
ステップ1:課題の明確化
ソリューション探しを始める前に、今抱えている課題を明確にしましょう。素直な気持ちになって、各部門に現行の課題のリストを提供してもらうように依頼してください。自分が他部門を含めてすべてを把握していると考えてはいけません。
PLM の導入を検討する企業では、紙を使った業務での疲弊や、状況が把握できない、情報探しに時間がかかる、データの手入力が多い、データのミスでコストが発生する、サプライヤーとのコミュニケーションに問題がある、生産性が低い、ストレスがたまる、正確な情報に基づいて戦略的な判断を下すことができない等、似たような課題を抱えているケースがたくさんあります。
それらの課題を取りまとめれば、解決へのレシピのできあがりです!前述した課題を抱えているのであれば、最新のPLMを導入すれば解決できます。PLM は、これらの課題を解決し、業務をより楽に進めるためのソリューションです。
ステップ2:課題に対応するためのソリューション探し
業務を遅らせる原因が判明したら、次はそれに対応するためのソリューションを検討しましょう。結論を急ぐよりも、時間をかけて自社にピッタリ合うソリューションを探すほうが、ビジネスケースを読む意思決定者も納得しやすくなります。一般的には、以下の3つのオプションが考えられます。
- 最新のPLMソフトウェア。クラウドベースでニーズに合わせて構成でき、業界に特化しています。そしてモバイルソリューションも利用でき、イノベーションやベストプラクティスに注力しています。E2E で製品ライフサイクル全体での連携や協業を可能にし、リードタイムの短縮や利益性の向上などをサポートできます。
- 古いPLM・PDMソフトウェア。自動車業界や航空業界で CAD/CAM ファイルやデザイン関連のファイルを保存するために生まれた古いシステムで、ファッション・アパレル業界に特化した最新のPLMと同じように、製品ライフサイクル全体を扱うことはできません。
- 自社製のシステム。自社のニーズに対応しており魅力的ではありますが、開発に時間とコストがかかります。
ステップ3:ROIの把握
この段階で投資対効果を計算するのは、少し難しいと感じるかもしれませんが、削減できるコストや、ビジネスの成長を数値化する方法がわかれば、PLM の価値をより明確にすることができます。
適切な PLM を導入すれば、生産性を向上してコストを削減することができます。業務面では、仕様書の精度を上げて、最低発注数量(MOQ)に対応し、オーダーを最適化して、物流計画を強化し、データの手入力や作業の重複をなくすことで、業務を効率化できます。情報を探したり、データを手入力したり、ミスを修正したりする作業にかかる時間を計算すれば、業務的なROIを数値化することができます。
さらに PLM を活用することで、商品化のリードタイムを削減して、品質を向上し、新規のチャネルやカテゴリー、世界的なマーケットにビジネスを広げるためのサポートになります。これらの観点で、PLMを導入することで、ビジネスをどう成長させることができるかを計算してみてください。
まとめ
ここまでくれば、ビジネス上の課題と、ビジネスを成長させるために最新の PLM が必要な理由を、ビジネスケースに記載できるはずです。
最新の PLM ベンダーは、モバイルアプリなど、さらに仕事環境をさらに強化するための追加モジュールやツールを提供できます。ビジネスケースがうまく作成できたら、次はPLM プロジェクトをスタートさせましょう。